今日9/7(日)、お時間ある方は是非とも観に行っていただきたい舞台があります。
本日が千秋楽なので、13時開演の回と17時開演の回のみとなります作品
「THE LAST SONG ~命の行進曲~」
です。
渋谷駅から歩いてすぐの渋谷区文化総合センター大和田・伝承ホールが会場です。
http://www.shibu-cul.jp/guide_densho.html
世の中は戦争に向かって行ってしまってるんじゃないか。
そんな不穏な動きが見える昨今、本当に大切なメッセージがたくさんたくさん詰まった作品でした。
「戦争反対!」
「誰も殺したくない」
「誰にも死んで欲しくない」
「誰にも殺させたくない」
「愛する人と幸せに生きたい」
まずは伝えたい事を先に端的に書いちゃいましたが、
昨日、シンガー仲間の石塚裕美さんと一緒に、ピアニスト永田ジョージさんが音楽監督を務める舞台「THE LAST SONG ~命の行進曲~」を観劇してきました。
いや~、もうね、ほんとに胸に残りました。
頭部の水分が無くなるんじゃないかと思うくらい泣いちゃいました。
涙腺崩壊というか、決壊。
そうなることは分かってたので、
「ティッシュを出しておく事」
「ハンカチも手に持っておく事」
席についてすぐにやりました。
まだ始まってもないのに、準備万端。
裕美さんが
「えー、花れんちゃん、もう?花れんちゃんすぐ泣くからね」
って。
嬉しくても悲しくてもすぐ泣くのでね。
観劇中にティッシュを出すためにごそごそして、お隣さんなどに迷惑かけるといけないから、もう予め全て手元に置いていざ観劇。
ジョージさんのピアノと、橋本歩ちゃんのチェロ、そして中島優紀ちゃんのバイオリンで織りなされるこのお芝居の音楽。
シューベルトの「Ave Maria」が随所に出てくるのですが、そのメロディーをピアノで弾いたり、バイオリンで弾いたり、チェロで弾いたり。
楽器やキーによって、感じ方が全然違うのよね。
歩ちゃんは私の今回のアルバムにも参加してくれていますし、ライブでも演奏してくれるスーパーチェリストです。
かっこよかったよー。
ジョージさんの音楽素晴らしかったです。
お芝居と音楽は一体なんだと改めて感じさせてくれる作品でした。
そして、今回この作品の脚本・演出・出演もされた梶原涼晴さんが素晴らしかったーー。
このパンフのメッセージもシンプルですごくよかったです。
彼の表情や存在の仕方ひとつひとつが、心に残っています。
「存在感が大きい」っていう言葉で片付けてしまうのは簡単なのですが、
眼差しや、存在の仕方が、違っておりました。
梶原さんのひたひたと底辺から湧いている、熱い想いを感じました。
なんでしょうね。
梶原さんの瞳や存在全体から、生命力や慈愛のようなものを感じ取りました。
素晴らしかったです。
そして、今のこの時期に、身につまされるようなテーマで、
今の日本では起こらないだろうとタカをくくっていると、善良な市民の預かり知らぬところで何もかもが決定されて、もう自分で選ぶ事もできないような、逆らえば殺されるような時代が再び到来する可能性もあると、そんなことを現実的に考えました。
実際に色んな決定事が着々とそのように動いていると感じていますし。
そうならないように、個々人の中の正しさや、高潔さ、そしてチームとしての強さを作って行かねばと感じました。
仲間っていいですね。
私は実際の戦争を体験した訳ではありませんし、戦後70年を迎えようとしている現在、その体験を語ってくれる方々がどんどんいなくなってしまって、様々な環境や価値観が違って来ていて、この作品自体も、もちろん、賛否両論、見た人ごとに感じ方など違っていて当然なのですが。
核となるメッセージは、私はしかと受け取りました。
その中の一つが
やっぱり大切な仲間っていいなっていうことでした。
一人は寂しいです。
誰かの愛情や誰かのぬくもりが周りにないと、ウサギじゃなくても本当は死んでしまうと思います。
たくさんの人の愛情と思いやりによって、人間は一人一人生かされているということを忘れがちですが、そこは根本ですよね。
戦争ほど無意味で狂気な沙汰はありません。
「正義って」
この言葉も頭をよぎりました。
アンパンマンの著者で昨年末亡くなられたやなせたかし先生がおっしゃってた言葉がすぐに出て来ました。
「正義のための戦いなんてどこにもないのだ
正義はある日 突然反転する
逆転しない正義は献身と愛だ
目の前で餓死しそうな人がいるとすれば その人に 一片のパンを与えること」
この作品の中の人々も、それぞれの中に、それぞれの正しさがあって、迷いながらもそれに従いながら行動していました。
その中には、狂気の沙汰としか思えないような行動をする人もいる。
戦いの原因というのは、「正しさの主張」だと思いました。
その主張のために、武器を使ったり、脅しを使ったり、強制をしたり、その規模が大きくなればなるほど、たくさんの命が奪われて行く。
あの戦いでも、今起こっている戦いでも、たくさんの普通の人たちが、愛する人たちを思いながら死んで行ったり、殺されたり、殺したりしています。
本当に・・・もうそろそろそんなゲームを人間は止めなければならないと思います。
誰も自分の大切な人が、誰かに傷つけられたり、ましてや人を殺したりしなければならないような、そんな状況に置かれたりしたくはありません。
それが、世界中何処を見渡しても、みーんな同じ思いなんだということを肝に銘じないと、
一部の人たちの正しい正しくないだけで物事を決めて行くと、
各々の真実というものを大切にできなくなってしまいますものね。
じゃあ何を基準にっていうところが本当に難しい。
でも、やっぱりここでも、やなせ先生の言葉が出て来ました。
「正義って相手を倒すことじゃないんですよ。
アンパンマンもバイキンマンを殺したりしないでしょ。
だってバイキンマンにはバイキンマンなりの正義を持っているかも知れないから。」
「正義って、普通の人が行うものなんです。
政治家みたいな偉い人や強い人だけが行うものではない。
普通の人が目の前で溺れる子どもを見て思わず助けるために
河に飛び込んでしまうような行為をいうのです。」
そう。誰かのために、思わず危険の中に飛び込んでしまうような思い。
本来は誰もが持っていると思います。
劇中でとても印象深いシーンがあります。
社会の煽動によって、若者達の中には
「お国のために命を捧げる。大切な人を守るために」
と言って志願兵となる者たちもいます。
赤紙が来て、望みもしないのにかり出される者も。
でも、その若者たちが最期に
「こんなのは間違っていた。
大切な人を守るための戦いなんてここにはなかった。
ここで見た出来事は、誰にも見せてはいけないようなものだった。
死にたくない」
と言って死んで行きました。
あんな場所で、「何のための戦いなのか」、そんなことは分からなくなってしまうような悲惨な光景なんだろうなあ。
ただただ、ひもじくて、辛くて、帰りたくて。
あのシーンで、彼らが最期に仲間たちと一緒だったのが救いでした。
映画「Life is beautiful」のあるシーンも思い出したりしました。
(第二次世界大戦下のユダヤ人迫害[ホロコースト]を、ユダヤ系イタリア人の親子の視点から描いた作品)
私も死ぬ時、悲しみではなく、何か希望のようなものや、心に温かいものを感じながら死にたいなあって。
どんなときも、特に辛い時には、芸術や美しいものというのが本当に救いとなるのだなとということも、改めて体感しました。
あのシーンのアベマリアの美しかったこと。
美の波長は、憎しみや敵意、戦意などを一瞬にして消し去ってしまうパワフルなものです。
音楽をやっている意味を、その役割の一つを、また胸に強く刻みました。
国自体には血は通いません。
生きてもいません。
チームとしてあるだけです。
オリンピックのような戦いのゲームはとてもいいですよね。
キラキラしたスポーツマンシップにのっとっていて、敵同士だったとしても、相手を尊重し、励まし合い、讃え合う。
そんな戦いだから感動が生まれる。
戦争にそんなものはありません。
本当に、世の中がそんな方向にまた歩き始めたりしませんようにと心から願いました。
ここ数年、各地の人権イベントに呼んで頂いて講演と演奏をさせていただく機会がありますが、研人さんと共に必ずお話するのが、
「国の財産とは、世界の財産とは、なんだと思いますか?という質問です。
「人」だと思いますと答えます。
どんな格や徳のある人たちがいるか、それがその国の、世界の財産だと私は思っています。
町はあっても、人がいなければただの場所だから。
町も文化も何もかも、人間力が作り上げるものだから。
一番大きなパワーは、愛の力。
私にとって、音楽は光です。
この作品では、たくさんの悲しみと絶望と共に、優しい光をたくさん浴びることができました。
人間の美しい部分に触れられます。
心がぽっと温かくなります。
そして、自分にとって今、何が本当に大切なのか、そんなことをぐっと考える時間になります。
是非、今日の2公演、足を運べる方は観に行って下さい。
なんだか、長くなっちゃいましたが、私はやっぱり争いは大嫌いです。
裕美さんと素敵な時間を過ごした後、帰りに一人、
初めてジョージさんと二人で一緒に食べたもの(池袋の「頑者」のつけ麺)を食べたくなって帰りに寄りました。
あの作品を見て、たくさんのことを考えて、個人の考えや大切なものなどどうにもならなかったあの時代に散って行った命を憂いて、今の時代も憂いて、ボロボロ泣きながらつけ麺食べましたΣ( ̄。 ̄ノ)ノ
あー。涙が乾くほどっていうけど、枯れるくらい泣くってどれだけの悲しみだろう。
ほんとに枯れるのか?枯れないんじゃない?ってくらいポロポロ涙が出てきて、
帰りの電車でも、泣きながら帰りました。
もー完全に変な子もしくは可哀想な子やーーーー(-。-;。
泣きながらひとりラーメンってっ( ̄^ ̄)
麺がにじんでぼやけてたしっ。
はーー。
とても大切なメッセージのたくさん詰まった作品でした。
全ての舞台やコンサート、展示会などに対してそう思いますが、
このように形として作り上げ、みんなが見れる場を作り上げて下さる方たちがいてくれるからこそ、享受できる感動や喜びがあるんですよね。
今回の上演のプロデュース、Yプロジェクトの山中勝博さんや関係者の方々にも敬意を表して。
(お目にかかった事ないですが、勝手に)
そして、素晴らしいパフォーマンスを見せて下さった役者の皆様、ミュージシャンの皆様が今日もたくさんの光を客席に届けて下さるだろうことに感謝して。
そしてたくさんの人がそのメッセージを受け取ってくださることを願って・・・。
一気に書いちゃったから、誤字脱字あるかも。あったらごめんなさい。